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おまけ:電動ハンドガンにおけるグリスの重要性
 今回は五回にわたってグリスの説明を行ってきましたが、これまでの実験のまとめを行いたいと思います。
 通常グリスは薄く延ばして使います。多めに付けたとしても、余分なグリスは剥がれ落ちてしまうからです。ただしそれは、潤滑性を求める場合。気密の確保を行う場所(シリンダーやノズル周り)では、空気が漏れないように十分な量のグリスで満たさなければ、本来の性能(初速)を発揮させることは出来ません。
 とはいえ、定着性が悪いといくら多めのグリスを付けても剥がれ落ちてしまいます。グリスを塗る量も重要ですが、それ以前に簡単に剥がれ落ちないグリスを選ぶことが大事ということです。ただし、定着性の高いグリスが一つあれば、すべてを賄える訳ではありません。シリンダーでは高い定着性を示したシリコングリス(第五回実験)が、ノズルではすぐに剥がれ落ちて初速を低下させる元となりました(第二回実験)。
 つまりグリスで大切なのは、適材適所適量。同じグリスでも、使う場所によって向き不向きがあり、塗るべき量も異なるのです。このことを正しく理解していないと、電動ガンでの気密確保は難しいでしょう。
 正直、電動ガンのカスタムでグリスにこだわる人はあまりいません。というのも、電動ガンで初速が十分に出なければ(気密の確保ができなければ)、スプリングを強化するだけで問題は解決してしまうからです。しかし電動ハンドガンでは、この簡単な方法が使えません。だからこそ、グリスの正しい理解が重要になります。
 これまでのグリスに関する実験も、「いかに電動ハンドガンではグリスが重要か」を知ってもらうので精一杯で、まだまだすべてを語り尽くせたとはいえません。
 ですのでここから先は、皆さん自身の手でさまざまなグリスを試しながら学んでいただけたらと思います。
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