はじめまして。
最近電動ＵＳＰを購入し、グリスアップの為にメカボを分解したのですが、組み立て後に発射不能となってしまいました。症状としてはトリガーを引くと銃口から弾がポトリと落ちてきます。どうもノズルが適正位置に戻っていないようです。セクターギアーとタペットロッドの組み方が悪いのかと想像してますが、何かアドバイスいただけたら幸いです。

　norimauygeさん、はじめまして。南木です。

　「弾がポトリと落ちて」しまうとの事ですが、原因は色々考えられるので、的確にこの場所が怪しいと断定することが出来ません。

　ですので、まずはもう1度分解し、再度慎重に組み立てを行ってみてください。ただ組み直すというだけの作業ですが、これだけでも結構問題が解決したりすることがあります。

　あと、グリスの量を多めに付けることもお勧めします。電動ハンドガンは気密の確保がシビアなので、グリス関係が問題の元になっている可能性もあります。

　それと組み直しを行う際は、部品の欠落や破損・ひび割れ、取り付け向きなどにも注意してください(特にノズルやピストン、チャンバー周りと、Oリング関係)。小さな亀裂でも、弾が出なくなることがありますし、取り付け向きが違っている場合も正常に作動しなくなります。

　もし再度組み直しを行っても問題が改善しない場合は、もう少し詳しく症状を教えていただけないでしょうか？　弾が垂直に落ちるのか？　放物線を描いて落ちるのか？　ピストンは正常に作動しているのか？　ノズルの動き(弾送り)は正常か？　など、わかる範囲の正常な部分とおかしな部分を教えてください。

　組み直しだけで直るとよいのですが、とりあえず報告をお待ちしております。(^^;

南木

お手数をおかけします。norimayugeです。
組みなおしましたが症状は改善されませんでした。
弾は放物線を描いて落ちます。ピストンは作動しており発射音もします。ただセミで撃った場合ノズルの停止位置が毎回異なり、チャンバーとノズルの間が数ミリ空いていたりします。ピストンの圧縮した
空気がほとんど漏れているのではないかと考えます。

　norimauygeさん、こんにちは。南木です。

　セミで撃ち終えた後にノズルの停止位置が異なる点と、チャンバーとノズルの間が数ミリ空いてい点については、異常ではありません。そういう仕様なので安心してください。

　弾が放物線を描いて落ちるということは、ピストンやギアといった駆動系はしっかりと動いていることがわかります。垂直に落下した場合はまったく空気が送られていないことになりますが、放物線の描くということは少しでも空気が送られているということです。また弾が出るということで、ノズルも正常に作動していることがわかります。もしノズルが正常に作動していなければ、給弾がされずに弾が出ません。

　ではなぜ勢いよく弾が飛ばないのかという点についてですが、やはりどこかで空気が漏れている可能性が高いと思います。わたしは過去に一度だけ同じ症状が出ましたが、そのときはシリンダー内のグリス量が足りず、正常に空気の圧縮が出来ていませんでした。あと電拳の実験でシリンダー内にグリスではなくオイルを使った時も、馴染むまでは弾が正常に出ませんでした。いずれも空気が漏れていたのが原因ですが、空気が漏れるだけで弾は放物線を描いて落ちてしまいます。

　norimauygeさんの場合も、どこかで空気が漏れているのではないかと思います。一番可能性の高いのはシリンダー内のピストン周りです。グリス量が足りない、ピストンヘッドに亀裂が入っている、Oリングが縮んでいる(もしくはヒビが入っている)、シリンダーヘッドのOリングを入れ忘れている(もしくはヒビが入っている)など。その他にも、ノズルのOリング(２本)を入れ忘れている、ノズルガイド部分のOリングを入れ忘れている(もしくはグリス量が足りない)、チャンバーパッキンに亀裂が入っている、どこかのパーツにズレが出ている(噛み合わせが悪い)などの可能性もあります。

　気密確保のためのグリス量が少ないと空気が漏れますが、グリス量が多すぎても弾は正常に飛びません。1度撃った弾にグリスが付いていないか、また分解した際にチャンバーやノズル先端にグリスが付いていないか確認してください。グリスが付いていたら拭き取り、グリスが付かなくなるまで試射とグリス拭き取りを繰り返してください。グリスの粘度にもよりますが、300〜500発ほど撃てばグリスは出てこなくなると思います。

　あと、ピストンの分解作業をしていた場合、ピストンの金属歯が逆についていないかも確認しておいてください。もし金属歯が逆についていると、ストローク不足から弾が正常に出なくなる可能性もあります。

　以上の点を1度確認してください。また連射の場合は正常に弾は出るのか、各部に使用しているグリスは何か、純正パーツ以外を使っている部分(社外パーツ)はあるかなど、とにかく正常な部分とそうでない部分がわかるよう、詳しくお知らせください。

　それでは報告をお待ちしております。

南木

　norimauygeさん、こんにちは。南木です。

　すみません、非常に単純すぎて失念しておりましたが、グリスを塗り替えた場合は必ず100〜300発ほどの慣らし撃ちを行ってください。グリスの種類にもよりますが、慣らし撃ちを行わないと弾は放物線を描いて落ちてしまいます。

　おそらく慣らし撃ちは行っていただいていると思いますが、もしもということがありますので付け加えさせていただきます。(^^;

南木

こんばんわ。normalです。
丁寧に解説いただきありがとうございます。
結果から報告します。再度組みなおしましたが変化はありませんでした。フルオートは勢いよく発射できます。でもセミは放物線です。
　グリスも丹念にかつ塗りすぎることがないよう注意してグリスアップしました。慣らしを行いましたが変化無しです。Ｏリングの亀裂やピストンの割れもありません。ないよう部品はフルノーマルです。
ノズルのＯリング（２本）とノズルガイドのＯリングのみ田宮のアンチウエアグリスを塗布しています。それ以外はシリコングリスです。ピストンはばらしていません。

こんばんわ。normalです。いま確認したのですが、ＨＯＰを掛けるとセミでもちゃんと撃てました。今まではＨＯＰを切って試射していたのですが、なぜでしょうか？いまからチャンバーをばらしてみます。

　norimauygeさん、こんにちは。南木です。

　HOPを切って試射しても真っ直ぐ飛んでいた場合でも、整備や部品交換でコンディションが変わるとHOPのかかり具合にも変化が現れるため、同じように真っ直ぐ飛ぶとは限りません。
　むしろ使うパーツやケミカル材・気温・湿度など、あらゆる条件に合わせてHOPは適切に変えてゆく必要があります。

　もしHOPだけの問題だったら良いのですが、またおかしなところがあればお知らせください。とりあえず解決への手がかりが見つかったようで、ほっとしました。(^^)

南木

今度の休日に広いところで試射してみます。
本当にお世話になり、ありがとうございました。