気密を長期間保持する方法
投稿日 | : 2015/07/03(Fri) 10:38 |
投稿者 | : ジョニー |
リンク | : http://blogs.yahoo.co.jp/tawara3006 |
いつもお世話になっております。
電動ハンドガンにカスタムスプリングを組み込む時の注意点についてお尋ねします。
以前何度かスプリングを交換したことがあるのですが、電動ハンドガンに関してはわずか数十発撃つだけで初速が大幅に下がって行きました。
ピストンの打撃による衝撃等のエア漏れによる気密不足が原因と分かってはおりますが、自分なりに色々試してもあまり改善できません。
極端な話、最終的にはスプリング交換の意味がほとんどないくらいに低下します。多分同じ経験をした方は多くいるのではと思われます。
気密をなるべく長期間保持したいときに、特に留意する点等ご教授ください。
Re: 気密を長期間保持する方法
投稿日 | : 2015/07/04(Sat) 01:28 |
投稿者 | : 南木 |
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ジョニーさん、こんにちは。南木です。
電動ハンドガンはスプリングを交換しても、初速が下がりやすくて困りますよね。これは細くて短い電動ハンドガンのスプリングがヘタりやすいだけでなく、ジョニーさんのおっしゃられている通り、ノズル周りの構造が複雑で空気が漏れやすいのも原因だと思います。
では初速の低下・空気漏れを防ぐには、どうすればいいか? 特に長期間しっかり気密を確保する良い方法は? ということになるのですが、正直わたしも有効な方法はわかりません。
ですが、わたし自身が試したいくつかの方法がありますので、その方法についてお話させていただきます。
1.まずもっとも分かりやすい方法は、グリスの種類と量ですね。電拳でも各種グリスの実験を行っていますが、この実験のきっかけとなったのが、ノズル周りにシリコングリスを使うと初速が大幅に低下したことでした。
現在電拳では高粘度グリスをたくさん塗るようにお勧めしていますが、もしかすると市販のグリスの中にはもっと長期間より気密を確保できるグリスがあるかもしれません。色々なグリスを試してみると、より効果のあるグリスが見つかるかもしれません。
2.次に分かりやすい方法は、ノズルのガイド貫通部分を物理的に埋めてしまう方法。これは電拳のカスタム記事でも紹介していますが、空気の漏れる穴が少なくなれば当然気密の確保は容易になる、という発想から行った改造です。
ただしこの改造を行ったG18Cと、行っていないUSPを長年使い続けてきましたが、特にどちらも気密の確保に差は出ませんでした。これは電動ハンドガンを利用する回数が、年間で1〜2回しかない(撃つ弾数も年間50発以下だった)ためだと思います。
おそらくたくさん弾を撃つ環境なら違う結果になると思いますが、あまり弾数を撃たない環境だと効果は薄いでしょう。
3.効果を出すのが難しい方法が、ノズルのOリングにシールテープを巻く方法。これも電拳のカスタム記事で紹介していますが、ノズルに付いている二つのOリングは製品によって結構隙間があります。グリスを塗っていない状態で息を吹きかけると、空気漏れが明確に分かるモノもあります。
そこでOリングの下にシールテープを入れてかさ上げし、ノズルとシリンダーヘッド間の気密性をアップさせる訳ですが、これがかなり難しいです。とにかくテープを入れればかさ上げになり、気密性もアップすると思ったら、これが大間違い!
二つのOリングのうちどちらから空気が漏れているか、どれくらいテープを入れれば空気が漏れなくなるか。この二点をしっかり調べ上げて正確に対処しないと、気密の確保どころか余計に空気が漏れる結果となるため、この方法はかなり難しいです。ただし明確に空気漏れの量を減らすことが出来るので、上手く成功すれば効果は高いと思います。
4.これは効果が不明ですが、ノズルガイドに金属リングを入れてスプリングのかさ上げをする方法もあります。ノズルガイドのスプリングをかさ上げする方法は、本来はノズルガイドのスプリングが弱っているのをかさ上げで強化することで、しっかりBB弾をチャンバーに送り込めるようにする給弾不良対策です。
ただしノズルがしっかり前進しないと、結局は空気が漏れて初速が出ませんので、二次効果としてノズル周りの気密性アップにも効果があるのではないかと思います。
5.これは失敗した方法ですが、シリンダーヘッドのOリングを太いものと交換して気密性をアップさせたこともあります。ただしOリングが太くなったことでプレッシャーが高まりすぎて、逆にシリンダーとの密着が不安定になってしまい、結果初速を落としてしまいました。なので、ダメな例とお考えください。
6.これも失敗した方法ですが、G18Cのチャンバーとシリンダーヘッドを無理やりくっつけて固定したことがあります。これはUSPのチャンバーとシリンダーヘッドがネジで固定されているのをマネたのですが、あまりにも密着させすぎの状態で固定したため、逆にノズルがチャンバー内の奥深くまで入り込みすぎてしまい、HOPパッキンで空気漏れが発生してしまいました。
適度な距離で固定できれば効果はあるかもしれませんが、ないかもしれません。ただ、距離が近すぎ/遠過ぎの場合は、確実に初速が下がります。
7.これも失敗した方法ですが、ノズルの耳の部分を削って、ノズルの前進量を増やしたことがあります。HOPパッキンにノズルがしっかり入ることで気密性を高める計画でしたが、逆にノズルが前進しすぎてHOPパッキンが変形し、空気漏れが発生してしまいました。ちょうどチャンバーとシリンダーヘッドを無理やりくっつけて固定したのと同じ失敗ですね。
8.これは効果の出なかった方法ですが、シリンダーとシリンダーヘッドの隙間を粘着剤で固定したことがあります。これは電拳のカスタム記事でも紹介していますが、剥がせる接着剤(粘着剤):セメダインBBXをグリスの代わりに使用しました。これで気密性がアップするかと思いましたが、結果は変化なしでした。
逆にメカボックスを分解した後、シリンダーやシリンダーヘッドのOリングにくっついた粘着剤がなかなかキレイに剥がれず、塗り直しの際にとても苦労したのが困りました。個人的には、二度と使用したくないです。
9.長期間の効力はありませんが、地味にシールテープでシリンダーとシリンダーヘッドの隙間を埋める、もしくはバレルとHOPパッキンの隙間を埋めるのは効果があります。ただシールテープ自体の寿命が短いためか、長期間の気密保持には向きませんので、定期的なテープ張替えが必要なのが欠点ですね。
10.これは気密の保持に関係ありませんが、スプリングのヘタりをカバーするため、スプリングにゲタを履かせて(かさ上げして)初速をアップさせる方法も有効です。わたしの経験では、電ハン購入直後の初速は71m/s前後ですが、使い続けるとすぐに68m/sまで初速が下がってしまいます。
そこで2mmのOリングをスプリングガイドとピストンに入れることで、元の71m/sまで初速を戻すことが出来ます。これは下がった初速をかさ上げで元に戻す方法なので、気密の確保とは関係がありませんが、気密確保の方法と併用することで初速を元に戻せるという点で効果はあると思います。
ただし注意が必要なのが、新品のスプリングにはかさ上げを行わないこと。かさ上げは、あくまで弱ったスプリングの回復手段として利用する点でしょうか。新品のスプリングをいきなりかさ上げすると、スプリングのヘタりが早くなるように思います。
11.これはシリンダー内の話ですが、ピストンヘッドやシリンダー内壁に塗るシリコングリスの種類や量も、気密の確保に大きな影響が出ます。特に長期間使用しても剥がれ落ちないグリスを選んで使用することが大切なので、この点も色々なグリスを試してみるのが重要になると思います。
だらだらと長く書きましたが、おそらくどれもジョニーさんご存知の方法ばかりだと思います。明確に「これで大丈夫!」と言える方法はありませんが、今回説明した方法をもう一度おさらいしていただくと、もしかするとさらによい方法:アイデアが思い浮かぶかもしれません。
ただ、もっとも単純で根本的な対策としては、やはりグリスの種類と塗る量、それに漏れ出たグリスをいかにキレイに拭い去るか、という基本が大事かと思います。
あまりお役に立つ回答ではありませんが、今はこれで精一杯です。スミマセン。
南木
Re: 気密を長期間保持する方法
投稿日 | : 2015/07/04(Sat) 10:03 |
投稿者 | : ジョニー |
リンク | : http://blogs.yahoo.co.jp/tawara3006 |
おはようございます。
詳細な説明ありがとうございます。
分かりやすく、とても丁寧な説明文をよく読み返し再考しました。
やはり、一つのキーとなるのがグリスですね。
あとはシリンダーとシリンダーヘッドの気密かと思われます。
取りあえずトライ&エラーを繰り返してみます。
あと禁止ワード表示が出て全文投稿できませんでした。すいません。
Re: 気密を長期間保持する方法
投稿日 | : 2015/07/04(Sat) 10:06 |
投稿者 | : ジョニー |
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経験上ですが、コン電の場合ではシリンダーとシリンダーヘッドの気密はシールテープ巻きで2〜3000発ぐらいは大丈夫です。気密が悪くなってくると5メートル位は平気で初速が落ちます。
よほどトリガーハッピーでない限り、コン電の性格を考えると定例会に2.3回出たら気密をやり直すという感じで大丈夫でしょう。(私は毎回やってました笑)
電ハンなら更に発射数は少ないでしょうから、半年位(定例ゲーム5.6回位?!)に一度気密確保作業のスパンというのが今の理想です。
色々考えて大体の青写真は浮かんできておりますので更に試行錯誤、トライ&エラーしてみます。
今回の電ハンカスタムはあくまでカスタムスプリング組み込み時の気密確保に絞っています。ノーマルスプリング状態では南木さんの記事のとおりの気密確保で1000発近い射撃後も初速が安定しているのを検証済みです。
ちなみに上記電ハンの182ミリカスタムインナーバレル、フルシリンダー、ノーマルスプリングで初速は0.2グラム弾で平均77メートル、Lipoで秒間18~20発を約1000発維持です。
途中経過、結果についても報告いたします。
本当にありがとうございます。
あとかなり余談ですが、ラ○ラのパワースプリング巷ではあまり良い評判とは言えませんが、初速低下後、気密確保するとすぐほぼ元通りの初速に戻りますのでテンション、本体及びギアへのダメージ、ヘタリを考えると実は市販の中でベストチョイスに近いスプリングかもしれません。
Re: 気密を長期間保持する方法
投稿日 | : 2015/07/04(Sat) 10:40 |
投稿者 | : 南木 |
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ジョニーさん、こんにちは。南木です。
電ハン・コン電はただでさえ初速が低いのに、気密の確保も難しいというジャジャ馬ですが、その分だけ研究のし甲斐もありますし、設定がバッチリ合えばこれほどうれしいこともありませんからね。
初心者の方はもちろん、玄人ほど楽しめる銃ということで、いろいろトライ&エラーを繰り返していただければと思います。(笑)
禁止ワード、スミマセン。この設定がないと、中国からの迷惑書き込みが一日で何件も溜まってしまいますので。
シールテープは、2〜3000発ぐらいは大丈夫ですか! わたし自身、サバゲをしていたときでさえ一日に撃つ弾数が300発程度だったので(長物でです!)、またゲームごとに銃を整備していたので、一体どれくらいもつのか正確に分かりませんでした。貴重な情報を教えていただき、ありがとうございます。
カスタムスプリングでは、わたしもパワースプリングがイチオシですね。銃本体へのダメージが少ないと言うのがお勧め理由ですが、もう一点理由があります。それは使い込んでテンションが下ると(ヘタると)、新品ノーマルスプリングとほぼ同じ初速まで下がってしまいますが、その代わり連射速度は新品ノーマルスプリングよりも1〜2発ほど速くなるからです。
初速が同じで連射速度が速いという事は、それだけバッテリーへの負荷が少なく電池も長持ちすると言うことですからね。バッテリー容量の少ないコン電・電ハンには、重要な要素だと思いますので。
#わたし自身は、バッテリーが切れるまで撃つことはありませんが。(笑)
それでは、ゆるゆるとトライ&エラーをお楽しみください。途中経過・最終結果についてのご報告、楽しみにしております。
南木
Re: 気密を長期間保持する方法
投稿日 | : 2015/07/12(Sun) 22:33 |
投稿者 | : ジョニー |
リンク | : http://blogs.yahoo.co.jp/tawara3006 |
とりあえずカスタム完了です。
レシピはインナーバレルはPDI01レイブンバレル182ミリ、ライラクスフルシリンダー、スイッチ接点保護にSBD装備、配線を高効率配線に交換、コネクターをBECコネクターに交換しリポバッテリー仕様に。そして今回メインスプリングをライラクスパワースプリングに交換。
コン電カスタムで分かったことですが、最大のキモは気密、それもシリンダーとシリンダーヘッドの部分と分かっていたのでその部分にワコースピスタックを使用、インナーバレル及びピストン側に入るリスクは最小と考えビスタックの強い定着性に賭けました。
あとノズルはマルイ純正高粘度グリス、スプリングとスプリングガイドのところはビスタックと高粘度グリス、タミヤのシリコングリスをミックスして使用しました。
試射したところ、撃ち始めは0.2グラム弾での初速85メートルぐらい、数発撃つうちグリスがまわり87メートルぐらいに上昇、1マガジンセミオートで撃った後、2マガジンフルオートで試射。
合計100発撃った後の初速は平均86メートル、サイクルは秒間17発位で安定しています。
過去メインスプリングを交換してカスタムした経験では、78メートルほど出ていた初速が1発撃つごとに1メートル下がり最終的には70メートルそこそこなんてこともありました。
その頃はシリンダーからのエア漏れなどということは夢にも思わずスプリング交換は諦めていました。
それを考えると今回は成功と言えるのではないでしょうか。
長期的にはまだ何とも言えない状態ではありますが。
では、一応の結果が出ましたということで。
ありがとうございました。
Re: 気密を長期間保持する方法
投稿日 | : 2015/07/13(Mon) 00:13 |
投稿者 | : 南木 |
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ジョニーさん、こんにちは。南木です。
カスタム報告、ありがとうございます。今回はシリンダーとピストンヘッドの間から漏れる空気を、上手く漏れないよう閉じ込めることに成功できたようですね!
電ハン・コン電は、シリンダー容量が少なくスプリングの力も弱いので、やはり気密をいかに確保できるかが重要となりますね。
もし電ハン・コン電の気密の確保に悩んでいる方がいらっしゃれば、今回ジョニーさんが紹介してくださったレシピを参考にカスタムしていただければと思います。
ただしグリスの配合率や塗り方・塗る場所・剥がれ落ちたグリスの清掃など、さまざまな条件で性能は変わりますので、そういった点も含めて試行錯誤して、自分だけのカスタム方法を確立していただければと思います。
特に電ハン・コン電は気密に関してかなり繊細なので、ちょっとした違いで性能が大きく変わります。もしかすると性能が下がることもあるかもしれませんが、コツが分かれば性能も上がるようになりますので、根気強くチャレンジしていただければと思います。
ジョニーさん、この度は貴重な情報を提供していただき、ありがとうございました。また何か判明したことがありましたら、教えてください。
南木
Re: 気密を長期間保持する方法
投稿日 | : 2017/03/08(Wed) 21:56 |
投稿者 | : ジョニー |
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こんばんは。
とてもお久しぶりです。
上記に、ノズルはマルイ純正高粘度グリス、スプリングとスプリングガイドのところはビスタックと高粘度グリス、タミヤのシリコングリスをミックスして使用しましたとかいてあります。
久しぶりにみると変なこと書いてますね。
スプリングとスプリングガイドのところはビスタックと高粘度グリス、タミヤのシリコングリスをミックスと書いてますが、塗った場所はシリンダーとシリンダーヘッドの接合部ですね。
このG18ですが、その後結局売却してしまい、経過観察はできませんでした。
が、たぶんいつもよりは長持ちしたのでないかと思います。
Re: 気密を長期間保持する方法