電ハン用のリポコネクター自作時のハンダ付けに関して
投稿日 | : 2024/02/16(Fri) 13:17 |
投稿者 | : アリムラ |
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新しい記事も掲載され、楽しく拝見させて頂いてます。
その工作記事の中の電ハン用リポコネクターを自作してみました。
そこで質問なのですが、コネクターとBECコネクターコードをハンダ付けする際、コネクターの端子にハンダが乗りにくかったのです。
ヤスリで端子の表面を荒らしたり、少し長めに端子を温めたりしてハンダが一旦は乗るのですが、BECのコードをいじっているとポロリと外れます。
最終的に平型モーターコネクターを切り、圧着して、固定しました。
今のところ、キチンと動いてくれています。
もし、私の知らないハンダ付けのコツなどがあるのでしたら、ご教示願えますでしょうか。宜しくお願い致します。
Re: 電ハン用のリポコネクター自作時のハンダ付けに関して
投稿日 | : 2024/02/16(Fri) 22:37 |
投稿者 | : 南木 |
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アリムラさん、お久しぶりです。南木です。
今回はハンダについてのご質問ですが、実のところわたしのハンダは我流のため、コツなどと言うような大それたことをお話しできる程の実力もありません。
ただ、ハンダこてを握って40年以上のキャリアだけはありますので、その経験から少しお話をさせていただきたいと思います。
まずハンダの基本は、A材とB材を溶けた鉛でくっつけることです。ここで注意が必要なのが、A材とB材を一度にくっつけようとするのはダメということ。
まずA材とB材の両方にハンダを乗せる、もしくは馴染ませる。両方にしっかり、ハンダを固定させることがまずは重要です。
あとはA材とB材を密着させて、熱を加えると互いのハンダが溶けてくっつきます。もともと両材にハンダが強力に着いていれば、くっつけた後にポロリと外れることはありません。
では、どうすれば強力にハンダを乗せる(馴染ませる)ことができるか?
まず平面材ならば、表面を荒らします。ハンダがざらざらの表面に食い込んで、剥がれにくくなるようにします。
次に、くっつけたい素材を温めます。ハンダこての先を素材に当てると、素材自体が温まり、ハンダが流れるようにくっつきます。
配線の場合は、配線の中に吸い込まれるようにハンダが入っていきます。平面材であれば、平面がメッキされたようにハンダが広がっていきます。
逆に、ハンダが吸い込まれない・広がらない場合は、何かしらの原因が考えられます。
まず素材が冷たい状態では、ハンダは着きにくいですし、着いてもすぐ剥がれてしまいます。素材を十分に温めることが重要です。
次に、ハンダが弾かれてくっつかない場合。この場合は、フラックス・はんだペーストを使うことで馴染むようになります。
フラックス・はんだペーストを使っても馴染まない場合は、小手先の温度が足りていないかもしれません。
長くて太い配線などの場合、熱が配線を伝って逃げるので、素材を温めるには数秒間こて先を当て続ける必要があります。
それでも熱量が足りない場合は、30Wこてなら40Wに、40Wなら50Wにと、熱量の大きなこてに変える必要が出てきます。
ただ、熱量が高ければ何でも良い訳ではなく、温度が高すぎるとまたくっつかなくなります。
それに温度が高すぎると、電子部品だと素材が壊れてしまったり、土台が樹脂だと土台の樹脂が熱で変形する危険もあるので注意が必要です。
素材に適したハンダやフラックスを使うのも、ハンダを馴染ませるのに重要です。シリコン銀コードの場合は、銀入りハンダ。ステンレス素材には、ステンレス用フラックスなど。
ただし、かならずしも銀入りハンダやステンレス用フラックスが必要という訳ではなく、普通のハンダとフラックスでも意外と何とかなるので、あればその方が良い程度に覚えておいてください。
ここまでがハンダの基本ですが、今回はコネクターの端子にハンダが乗りにくかったとのこと。
おそらく端子の素材はステンレスだと思いますが、ステンレス用でなくてもいいのでフラックス・ペーストを塗ってハンダの食いつきを良くしましょう。
次にハンダを付けたこて先を端子に数秒当てれば、こて先のハンダが端子に移る(流れる)と思います。ただ、30Wこてだと熱不足になるかもしれないので、40Wのこての方が良いかもしれません。
あまり熱を与えすぎると、土台の樹脂が溶けそうと心配になるかもしれませんが、端子に熱を与えている限りは簡単には土台の樹脂は溶けないので安心してください。
その代わり、こて先が樹脂に触れると簡単に溶けるので、こて先が樹脂に当たらないよう注意してください。
あと60W以上のこてを使うと、端子に当ててるだけでも土台の樹脂が溶ける危険があるので、60W以上は使わないでください。
以上、表面を荒らし・フラックスを塗り、40Wこてで端子を温めればハンダが移り強固にくっつく。あとは配線にもハンダを馴染ませ、最後に両材をハンダ付けすれば完了です。
今回はポロリと外れるとのことなので、フラックス・ペーストを使いしっかり端子を温めることができれば、ハンダが強固に付くと思います。
もし熱で樹脂の土台が変形するのが心配なら、実際にどれだけ熱を与えると変形が始まるか、実験してみるのもよいかもしれません。
わたしの経験上では、樹脂に直接触れない限りは、なかなか変形しなかったというのが正直なところです。少なくとも、ハンダがしっかり端子に付くまで温めても変形はありませんでした。
ハンダは経験がモノをいうので、とにかく数をこなせばコツがわかると思います。というより、わたしはそうしてハンダを覚えたので、それ以外に言えません。申し訳ない。
ただ、ネットで「ハンダ付け」で検索すると、いろいろと丁寧な解説が出てきます(動画もあります)。なのでこうした情報も利用すれば、より上達が早くなると思います。
わたしはこれらネットの情報を利用せず覚えたので(ネットの無かった時代なので)、かなり間違った覚え方をしてるかもしれません。
なのでわたしの説明は基本程度にとどめ、より詳しくはネットの情報を参考にしてください。多分そちらの方が正確でわかりやすいと思います。(^^;
南木
P.S. 先年の秋にメールにてご質問いただいておりましたが、何度返信を送っても不着だったので、遅まきながらこちらで回答させていただきます。
回答内容は「使用したことがある」です。ただし小物を数点なので、あまり参考にはならないかもしれませんが……。
Re: 電ハン用のリポコネクター自作時のハンダ付けに関して
投稿日 | : 2024/02/17(Sat) 00:30 |
投稿者 | : アリムラ |
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とても丁寧な回答、ありがとうございます😊
どれも大変参考になります。
私が今回使った半田ごては20Wで、フラックスも使っていなかったので、その辺が原因だったのですね。
何となくやっていた予備ハンダの重要性もよく分かりました!
アドバイスに従い、再チャレンジしてみます。
完全自作編にもチャレンジしてみようと思います。
リポアダプターだらけになりそうですが(笑)
年末からMP7のスイッチ端子の分解なども、参考にさせて頂いていました。
偉大な先輩の存在に感謝です。
ありがとうございました🙇
アリムラ
Re: 電ハン用のリポコネクター自作時のハンダ付けに関して
投稿日 | : 2024/02/19(Mon) 03:41 |
投稿者 | : 南木 |
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アリムラさん、こんにちは。南木です。
我流のため正しいのかどうかも分からない少しあやふやな内容となってしまいましたが、いくらかでもお力になれたのなら幸いです。
電拳の中では、あえて道具類の扱い方に関しては説明はしておりません。これは紙面を減らすためと、わたし自身が道具の扱い方に精通してないのと、皆さんに少しでも自分で調べるクセを身につけて欲しいからです。
というのも、電拳の中で説明していることがすべて正しいこととは限りませんし、調べればより楽で・効果の高い方法があるかもしれないからです。
自分で調べるというのは手間かもしれませんが、ぜひ皆さんにも知る喜びをご理解いただけたらと思います。
南木