4.耐水ペーパーで擦り取る
ピストンリングのバリも、耐水ペーパーで擦って削り取ります。バリ自体は非常に小さいため、耐水ペーパーも1500番以上の目の細かいものにしましょう。
作業自体はOリングの外周(バリ)を耐水ペーパーで擦るだけの非常に簡単なものですが、擦りすぎてOリングを変形させないように常に削る量に気をつけてください。
写真上側が作業前、下が作業後です。ピストンリング外周の真ん中にあった筋(バリ)が消えているのがわかるでしょうか? この筋が消えてなくなれば作業終了です。
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5.ピストンリングを広げる
ピストンリングのバリ取りが終われば、最後にピストンリングをシリンダーに被せ、外径を少し広げます(上写真参照)。
これはリングの外径を広げることで、よりシリンダーへの密着力を強め、空気漏れを少なくするための作業です。この状態で三日ほど放置すれば、程よく広がります。
ただしシリンダーからOリングを外すと、すぐに縮んで一日も経つとほぼ元の大きさに戻りますが、わずかな誤差でリングが広がるかもしれないので、気休め程度には効果があると思います。 |
6.やってみた効果:なし
今回メカボックスやシリンダーの研磨、それにピストンOリングのバリ取りについて説明してきましたが、数値上に表れるような効果は一切ありませんでした。
というのも、ザラザラの粗雑な部分と違い、もともと表面が滑らかな部分を磨いていますし、Oリングのバリ(隙間)も普段はグリスが塞いでくれるので、あまり効果が出なかったためです。
とはいえ、こうした小さな努力の積み重ねが大きな効果へと発展しますので、やってみる価値は十分にあると思います。 |